大学もある鍼灸の世界
鍼灸師として活躍するには国家資格が必要で、知識や技術を学んで受験資格を備えたうえで国家試験に合格しなくてはなりません。
もっとも、6年制の大学がある医師や薬剤師などと比べて、ちょっと勉強すれば受かるのだろうと思っている方はいませんか。
実は鍼灸師になるために専門学校または大学で少なくとも3年、大学では4年もの歳月をかけて、徹底して専門知識や技術を学び、実践的なトレーニングも積んでいるのです。
日本国内でも鍼灸学科を設けている大学がいくつかあり、大学によっては3年次で国家資格を取得させ、残る1年は実際に臨床の現場で鍼灸師として実践的に施術を行い、大学卒業後には鍼灸師としての独立開業や就職などを目指せるようになっています。
東洋医学と西洋医学の知識を持つ専門家
鍼灸は中国より1500年ほど前に日本に伝わったもので、長い歴史を有しています。
中国や韓国では病院に針灸科があるほど、体の治療に有効と認められており、世界保健機関でも一定の症状に対する鍼灸治療の有効性を認め、世界的に話題を集めました。
鍼灸の専門学校や大学では鍼灸理論のベースとなっている東洋医学を学ぶのはもちろん、解剖学や生態学、各種の疾病や症状などとどんな治療法があるかなどの西洋医学の知識も積極的に学んでいます。
西洋医学の知識を持ちながらも、東洋医学も操れることで、より安心の鍼灸を受けられるメリットがあります。
代替医療とは異なる
世の中にはガンに効くとか、アトピーに効くなど根拠がはっきりしない代替医療の手段が溢れています。
これに対して鍼灸は長い歴史の中で信頼と実績を育み、大学のカリキュラムとしても認められ、国家試験も用意されている信頼のおける東洋医学に基づく療法です。
自律神経や血流、ホルモンバランスや内臓や筋肉の働きを分析して、そのバランス改善に働きかけることができるのが鍼灸の魅力です。
体のバランスが整うことで、様々な不調の改善も望めることでしょう。
西洋医学との違い
西洋医学は最新の医療機器や化学的な成分を用いた医薬品や手術などの医師の技術を用いて疾病やケガを回復させるもので、即効性も期待できます。
ですが、東洋医学は基本的に体が本来持っている自ら治ろうとする力を高めるもので、直接治す技術ではありません。
即効性はないものの体への負担を抑えながら徐々に改善や回復が期待できます。
一般的には病気になる前の未病の状態のアシストに適しています。